近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。

図書館の利用・活用において重要な情報技術について

このタイトルに関するレポートは、一番最後までかかりました。私が、コンピュータ関連に苦手意識があり、後回しにしたのが第一の敗因です。

 メディア授業のテストの終わった2月に提出し、1カ月以上待って不合格、その後3月末に提出しましたが、やはり1カ月以上かかって、4月29日に合格でした。

つまり、このレポートで押さえるべきは、「先生の採点が遅いので、早く提出したほうがよい」ということです。

 

では、不合格レポートです。

1 はじめに

 

情報技術の発展により、一個人としても図書館職員としても、恩恵を受けてきた。ただ、便利の陰で仕組みは複雑になり、別の問題も出てくる。それらに対処しながら図書館を利用する、またしていただくため、私が現在、図書館業務等で身近に感じる5つの情報技術に着目し、考察する。

 

 2 図書館の活用と利用円滑化のための情報技術について

 

1)ICタグ

 

 物体識別用のICチップを埋め込んだICタグを当市図書館では導入している。これにより、自動貸出機の活用、貸出・返却時の大量読み取り、大量一括蔵書検が可能となり、手間が削減された。

しかし、電波は見えずタグ不良も起きるため、100%完全ではない。漏れを探す手間は、職員、利用者ともにストレスになる。場合に応じて、バーコード読み取りと併用する必要がある。タグが重ならないように本を置くなどのコツも、利用者に伝えるとよい。

 

 2)図書館HP・OPAC

 

 利用者が図書館の情報技術を活用するには、図書館HPとマイページ、そしてOPACをいかに使いこなすかに左右される。HPからは電子書籍の貸出・返却(期限がくると自動返却)・予約、デジタルアーカイブの閲覧、県内図書館横断サーチ、蔵書リクエストなどが可能である。マイページでは貸出・予約一覧の閲覧のほか、予約、読書履歴・マイ本棚・新着図書お知らせサービスなど各種設定ができる。

 非常に便利であるが、インターネットを利用できる者とそうでない者との格差は広がるばかりである。図書館側の手間も、減りこそすれなくならない。例えば、予約資料が最寄り館に届いた場合、メール送信設定をしていない利用者には電話連絡をする場合がある。督促も同様である。いくら情報技術が進歩しても、漏れは残る。

 OPACによる検索では、多くの利用者が自然語をキーワードとして入力するため、求める資料が得られないと早合点するケースもある。カタカナ入力、件名(統制語)やNDCによる再検索などの手法を図書館側から利用者に周知し、効率よい検索を促す必要がある。

 

 3)電子書籍

 

 当市ではこれまで、電子書籍専用カードを希望者に発行していた。しかし今年1月からシステムを刷新し、図書館利用登録証があれば電子書籍を利用できるようになった。電子書籍は返却が自動であり、資料の表紙を一覧できる利点がある。また当市は、電子書籍を特にバリアフリー化に貢献することを目的としている。視覚障碍者向けに文字の拡大や反転、一部読み上げ機能を提供する。外国人在住者が多い当市の特徴に鑑み、多言語の資料も充実させている。

 ただ、コンテンツがまだまだ整わず、人気の料理、車、旅行などの分野の資料はいつ見ても貸出中のままである。もっとコンテンツを増やす必要がある。地元の書店と連携し、利用者が電子書籍を借りた後、紙の本を買いたいと思ったら、クリックすれば当該書店に購入を依頼できるようなシステムにするなど、書店も図書館も利用者も三方良しとなる大胆な改革を望みたい。

 

 4)デジタルアーカイブ

 

 歴史資料や貴重な資料、地元の文献などを保存・活用するデジタルアーカイブの蓄積は、図書館の使命である。国立国会図書館内でしか閲覧できないアーカイブ資料を、今年1月から館内PCで閲覧できる図書館が増えた。地方在住のデメリットを解消できることは好ましい。

 当市でも県や市のデジタルアーカイブを進めており、前述したように図書館HP から閲覧できる。資料の劣化、複写制限などを免れるほか、利用者にとっては来館しなくてもサービスを受けられるメリットがある。加工しやすいため新しいコンテンツ作りも容易なので、今後の発展が望まれる。

 

 5)情報発信等

 

 図書館の情報発信としては、HPやツイッターが挙げられる。ただ、SNSの特性を生かした双方向コミュニケーションを展開する図書館は少ない。公的施設という枠組みを逸脱せず、ゆるやかな交流ができれば、利用者は図書館を有機体のように感じ、職員に親近感を持つ。私はお手本として、○図書館のツイッターを挙げる。

 ツイッターではハッシュタグ(#)で、誰でもその主題について語り合えるという特徴がある。しかし、どの#が適切なのか、ユーザーには特定できない。例えば、#新型コロナウイルスなのか#新型肺炎なのか#COVID-19なのかという問題である。

ここで、図書館情報技術である目録作成の典拠コントロールの概念を適応させられないものか。ぜひ、図書館の関連学会等には、がツイッター社に対し、統一ハッシュタグの効果的な運用方法を提案してほしいものである。

 

 3 まとめ

 

 情報は鮮度と普遍性が命であり、それを得るための技術はどんどん発達している。使い手の我々が、それらを学び問題に対処していくことで、生活は向上する。これら図書館情報技術を生かし、図書館活用はもとより、外の世界を変えていく可能性にも期待する。 

 

普通、不合格になったら「・・・やっぱりな」って思うのですが、これに関してはまったくわからなかったので、恥を忍んで、コンピュータに詳しい夫に、設題と不合格レポートを見せました。

すると「設問の意味を全く理解してないよ、あんたが書いてるのはインターフェースのことばかりだもん」と言われました。インターフェースってなんだ?と思ったんですけど、人と技術の間のことのようです。使い方とか。「ここでは、どんな機能がどのように図書館の利用を円滑にしていると考えたかということを書かないと・・・」と言われました。

つまり・・・

青字部分がインターフェース部分=不要

紫字部分が図書館以外の部分=不要

 

それで、書き直しました。

 

1 はじめに

2 図書館の活用と利用円滑化のための情報技術について

1)ICタグ

2)図書館HP・OPAC

3)電子書籍

4)デジタルアーカイブ

5)情報発信等

3 まとめ

 

という三部構成はそのままに、2章を変えました。まとめもかなり変えています。

 

1)統合図書館システム

2)ICタグ導入

3)ハイブリッド図書館

4)デジタルアーカイブ

 

 

では、その2章部分です。

1)統合図書館システム

今では、ほとんどの図書館でコンピュータ目録になっている。コンピュータ化当初は、貸出・返却システムと、検索システムが独立していたため、所蔵まではわかっても在庫か否かは把握できなかった。技術の発達により、図書と借りている利用者のIDを紐づけることができるようになり、利便性が飛躍的に高まった。図書をOPACで検索した際、所蔵の有無に加え、貸出中か否かを把握できる。貸出中なら予約をかけ、利用者がメール送信設定をしておけば、最寄り館に取り置きになった時、メールで知らされる。在庫なのにその図書がない場合も出てくるので(他者が館内にて閲覧中なのか、紛失なのか)、今後は、図書が書架から離れたら検知できるシステムが求められる。

 また、私の市内には23館の図書館があるが、市内に複本がある場合、予約をかけると、図書館を巡回するトラックのルートに合わせ、コンピュータが一番早く届く図書館を自動で選定する。これにより、利用者に最短の時間で提供できる。

 

 2)ICタグ導入

 ICタグを導入すれば、大量の図書を瞬時に認識することができる。自動貸出が可能になり、カウンターが混雑しているときは待たなくてもよい。蔵書点検においては、一点一点読みとる手間が省け、図書館員の労力が削減される利点がある。

 特に、自動仕分けシステムや、自動棚卸しシステムなどは、ICタグが導入されていることが前提となる。現在、ICタグは高価であり、張り替えの問題などもありなかなか導入が進まない。しかし、この技術により業務内容が効率化し、図書館員はほかのサービスに時間と手間を拡充できるため、今後はさらなるICタグの導入拡大が期待されている。

 また、利用者にとっては、自動貸出と返却が実現されれば、自分の読んだ本を図書館職員に知られないで済むというメリットがある。

 

3)ハイブリッド図書館

これからは、来館して貸出・返却する従来方式に加え、インターネットを介し、来館せずとも貸出・返却ができる電子図書館が普及していくことが考えられる。これは、「ハイブリッド図書館」と呼ばれている。

電子図書館機能の充実は、「いつでも、どこでも、誰にでも」資料を提供できることに貢献する。来館可能な市民と、来館すること自体が障壁となっている障碍者や高齢者、遠隔地在住者らとの格差が解消できるという意義がある。

視覚障碍者や高齢者向けには文字の拡大や反転、音声による読み上げ機能を提供したり、外国人在住者に対しては翻訳機能をつけるなど、それぞれのバリアを解消するための機能を搭載することも、紙の資料より格段に簡単である。

ブラウジングや「本や情報の宝庫という場」としての機能は、電子図書館の弱点ではある。しかし、webOPACでNDCを指定して目録のタイトルを一覧できる機能を土台に、その表紙を一覧できる機能を付加すれば、通常図書館における背表紙の閲覧より、感覚的、視覚的に一定のブラウジング効果を提供することも可能である。

さらに、地元の書店と連携し、利用者が電子書籍を借りて読み、紙の本を買いたい場合、クリックすれば当該書店に購入を依頼できるようなシステムにできれば、書店も図書館も利用者にとっても使い勝手がよくなる。電子書籍貸出点数が増加することで出版社の利益につながれば、図書館に対してさらなる電子書籍の拡充が期待される。

4)はほぼ変えず、5)は削除。 

 

全体的に、不合格レポートは、「コンピュータが出てきたって、そもそも、持ってるか使えるかっていう問題だし、モレばっかじゃん。結局、人手が大事なんだよ。現場に来てみりゃわかるよ」っいう斜に構えた調子で書きました。そりゃあ情報技術の設題を出すような専門家の求める答えではないでしょう。合格レポートは「やっぱ、コンピュータのおかげで図書館の利用はすごくよくなったよね!」っていう明るい感じで書きました。

 

蛇足ですが、私は、電子書籍における出版社・図書館・書店みんな得するという夢のようなタッグに、とても期待を抱いています。電子書籍を借りる~購入したかったらクリックする~地元の書店から買うことになる・・・っていうモデルをレポートでもテストでも何回も書いてます(*^▽^*) またか・・・と思われたらごめんなさい。