この科目は69点で、参考にならない解答例です。とりあえず、サンプルとして割り引いて眺めるだけにしてもらえればと思います。
問われているのは、「情報公開制度」と「個人情報の保護」が、図書館とどう関連するのかという、一見相反する概念についてです(「著作権保護」と「文化の発展」も同じパターン)。
6割強しか取れなかったのは、図書館においてはどうなんだという事例に乏しかったからかとは思いますが、よくわかりません。模範解答を読んでみたいです。
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情報公開制度とは、国民の知る権利に基づき、国や地方公共団体が有する文書や、その他の情報の公開を法的に義務づけ、住民に情報の公開を求める権利を保障した制度である。住民は、当該地方自治体に対し、情報公開を請求する権利があり、請求が拒否された場合には、非公開決定処分の取り消しを求める訴えを裁判所に提起するということが認められている。ジャーナリストだけではなく、一般市民も「情報の自由」「情報へのアクセス権」という主張を展開するようになってきた。
国等の広報などの「情報提供」とは異なる。
情報公開制度の制定は、民主主義にとって不可欠なものである。
図書館においては、図書館で収集する資料で特に政府刊行物や地方自治体の資料など、一般には手に入りにくい灰色文献の収集を進めており、住民の公開要求にこたえる現場となっている。
情報公開の開示要求はだれでもできるが、不開示情報の解釈が難しい問題となっている。第三者情報、行政上の秘密に関わる情報が挙げられる。この第三者情報は、個人情報(個人を識別しうる情報)や法人情報(営業情報を含む)を保護するためであるが、慣行として公にされている場合や、公務員のように公益上の必要がある場合は例外となる。
情報公開と個人情報保護のバランスについて、どこまで公開する限度を定めるかについての規制を決めたのが個人情報保護法の施行(2005年)である。しかし、具体的な基準はなく、それぞれ個別に特定する必要がある。
図書館における個人情報保護で重要になってくるのが、地域の住民の利用登録制を採用している場合、その際にいかなる情報を取得・保有するか、また図書館利用記録(閲覧・貸出記録)の扱いについてである。すでに以前より、「図書館の自由宣言」において「利用者の秘密を守る」と明文化されており、これが図書館における個人情報の保護を意味している。
また、個人情報保護法の対象は、図書館が所蔵し提供している資料は対象にならず、個人情報が掲載されているからといって、収集を控えたり、安易な提供制限をすることは、「図書館の自由宣言」の「図書館はすべての検閲に反対する」に反することになるため、注意が必要である。(900字)