近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。

カード目録について

このタイトルがレポートテーマの一つを占める科目は、難しいのに、メディア授業申請の要件となっているため最初に取り組むことになっています。しかし、振り返っても、これは苦しいレポートでした。

 カード目録を構成する4要素・・・つまり、「記述」「標目」「標目指示」「所在記号」についての説明を、「既知資料検索」「未知資料検索」、「標準化」、「典拠コントロール」の言葉を用いて行うものです。

 

そしてこの科目の近大のテキストは、何度も言うように、非常にわかりにくくできています。他参考文献との併読をお勧めします。

 

1回目のレポート→講評→2回目のレポート→講評の要点を、部分ごとに載せます。

(つまり講評はもっと長く、丁寧語で書かれております。すごい先生です。実にしっかりと学生・論文に向き合っている証拠だと思います)

合格したレポートについての講評も「ここをこうするともっとよい」とさらなる高みが書かれています。これからレポートを書かれる方は、参考になると思います。

まず全体的な講評

○論文の構成を考慮した論述を。

①序論:なぜこのテーマを取り上げるのか

②本論:自分の言葉で要点をわかりやすく。テキストの丸写し×。

③結論:本論で得た情報をもとに、結果として何を学んだのか。(マトメ+私見

○「~だ」で終わる文や「~だ」を含む文、名詞で終わる文は×。

○各構成要素についての説明の分量は、同じくらいに。 

これが再提出の講評は

前回より良い内容になった。「目録」の本論部分については、ほぼポイントを押さえている。全体としては、複数の参考図書や関連情報をもとに、自分の言葉でわかりやすくまとめている。論文の構成を考慮した論述になっている。

1回目のレポ―トは序論ほぼなし。

(2回目)

 図書館は、蓄積された情報・データの集合の中から、利用者に必要な情報を短時間で提供するために目録を所持している。本論では、OPAC検索の原点であるカード目録について、OPAC検索との関連も踏まえながら考察する。

目録を活用することの目的、「カード目録」を学ぶ意味、書架分類と書誌分類活用の現状、調査の目的について、ふれている。

 

1回目のレポートの本論。4要素の説明

↓ ↓ ↓ ↓

(1)記述(書誌記述)

 タイトルや著者など資料に関するさまざまな情報で、カードの真ん中に書かれた部分。資料を同定・識別する目的がある。既知資料検索では、特定資料の有無を判断する識別機能が求められる。同じタイトルでも版や形態、全集や決定版など、多岐にわたる場合もあるので、記述を見比べて特定資料を選択する。未知資料検索では、適合資料について網羅的、あるいは代表的なものを調べる集中機能がある。記録の際は、他機関との互換性を持たせる標準化のため、ISBDに従う(※1)。版、逐次刊行物等複数冊からなる資料の扱い、エリアの設定、エレメントを区切り記号法で記入するなど、転記の原則に従い、資料に書かれている通りに記録することに留意する。

○「カード」の記載内容や記載方法・記入方式についての説明が多すぎ。

○「記述」には、その他どんな情報があるか。

(2回目)

 カード目録の構成要素は、記述(書誌記述)、標目、標目指示、所在記号の4つである。世界的な目録の標準化を推進するため、各国では記述と標目についての標準化が検討され、ガイドラインが作成されている。

  記述の目的は、既知資料検索時に、資料を同定識別する判断材料を提示することである。未知資料検索の際は、どんな資料か見当をつけるためのものとなる。カードの中心部に書かれ、タイトル、著者名、版表示、出版年、ページ数や大きさなどの情報を載せている。記録上の留意点として、主要な書誌的事項に関しては転記の原則に従い、そのまま書き写す。

カードの位置、構成要素の意味、活用目的に集中して論述する。

「記述」の記録の留意点として、ISBDと転記の原則についてふれる。用語の意味にも着目。

  
(2)標目
    カード上部にある検索用の見出し。資料を発見する際の手がかりとなる。タイトル標目、著者標目、主題標目(分類標目、件名標目)がある。カード作成の時は、記述と標目指示等を書き入れてのち、一番最後に、標目を書き入れる。著者数が複数の場合は何人まで標目に選定するかや、サブタイトルをどこまで標目に取り入れるかの規定が必要である。記入の際は、件名標目および分類標目は、図書館が採用した件名標目表、分類表に掲げられたことに限られることに注意する(※2)。
   著者標目では、「同一著者なら統一標目」を踏襲するため、典拠コントロールが欠かせない。統一標目や参照、その根拠情報などを記録した典拠ファイルは、目録の信頼性を確保する。現在は、コンピュータ・ファイルとして維持されている。

○「標目」の種類について詳しく。3種の標目をどのように排列するのか。

○各標目は、どんな検索に用いられているのか明確に。(標目指示の説明の)アンダーライン部分をこここに含める。

○典拠コントロールについてもっとわかりやすく。特にどの標目に用いられるか。

 (2回目)

 標目は、カード上部にある検索用の見出しであり、タイトル標目、著者標目、主題標目(分類標目、件名標目)があり、カードは音順に排列される。タイトル標目は、既知資料検索に利用され識別機能を、主題標目は未知資料検索に利用され集中機能を果たす。著者標目は双方の機能をあわせ持つ。著者標目では、ペンネームと本名があっても一か所で検索できるよう、典拠ファイルをもとに整える典拠コントロールが欠かせない。タイトル標目も統一標目を付与(統一タイトル)してコントロールする場合がある。

 

 
(3)標目指示
   記述の下部に一定の様式で記述したもの。標目指示の数だけ標目ができ、それがカード枚数となる。書かれる内容は、タイトル名、著者名、主題がある。既知資料検索では、タイトル標目、著者標目が、未知資料検索では著者標目、主題標目が手がかりとなる。誤り等で訂正・除去する場合も、この情報が必要になる。

 (2回目)

 標目指示は記述の下部に記載し、対象資料が必要とする標目が一覧できるようにしてある。目録作成時に標目記載を指示する内容であり、データの修正や資料の除籍に伴う除去など、目録のメンテナンス作業に役立てられる。OPAC検索では、さまざまな標目から検索できるため標目指示の存在意義はなく、カード度目録時代の遺産とも言えそうである。

「標目指示」は、どのような作業に役立つのか、もう少し丁寧な説明を。メンテナンス作業についてふれている点は、評価する。

 (4)所在記号

   資料の背ラベル下部に貼る、資料の所在を表す記号。書架分類記号、図書記号、補助記号で構成される。いわば書架における資料の住所のようなもの。図書記号には、著者記号や著作記号、補助記号には巻次記号、版次記号、複本記号などがある。書架分類記号以外に配架される資料は、別置き記号も付される。所在記号に何を取り入れるかは、各図書館によって異なる。

○「所在記号」のカードの位置は? 

 (2回目)

 所在記号は、カード目録の左上部分に記載されるいわば書架における資料の住所のようなものである。主題分類をベースにしたNDCなどの分類記号のほか、同一分類記号の中の排列順を決める著者記号や巻次記号、版次記号、複本記号などがある。書架分類記号以外に排架される資料は、別置記号も付される。所在記号に何を採用するかは、各図書館によって異なる。同じ記号が資料の背表紙など外面の目立つところに装備される。

「所在記号」の活用目的について、もう少し明確に。テキスト記載の補助記号についてもふれること。

 まとめ=1回目のレポートはなし。

(2回目)

 カード目録の成り立ちを知ることで、OPAC検索において、標目に採用されそうな語を入力することの意義を理解できる。カタカナ入力が有利だということにもつながる。利用者への周知が求められる。

 

(1回目1007字、再提出1050字)

参考文献

※1 柴田正美「情報資源組織論 新定版」P107 日本図書館協会 2016年

※2 同上 P200