この科目は、レポートを書いてからかなり時間がたっており、5月に回さず3月中に受けてしまおうと1日に3科目受けたこともあり、片手間になってしまいました。
図書館経営4つの基本思考の説明と、そのうち利用者中心思考に沿った図書館サービスについての持論を求められました。問題と、レポート設題が、限りなく似ているという印象を受けました。80点でした。あまりに具体例・文字数(1730字)を書きすぎたかもしれません。ここでは、一部を紹介します。
↓ ↓ ↓ ↓
図書館経営4つの基本思考とは、利用者中心思考、建設発展的思考、中道思考、未来思考である。
利用者中心思考とは、徹底的に利用者側に立って図書館サービスを行うことである。奉仕の精神を持ち、企業活動では当然とされている「お客様は神様です」の考えを持ち、貸し出しだけでなく利用者の課題解決を助けるなどの専門性の高い情報サービスを提供することである。
建設発展的思考とは、社会の変化とともに、図書館も成長・発展していくことである。ランガナタンの提唱する「図書館は成長する有機体である」の原則に従う。
中道思考とは、極端に走らず、バランスの取れた「中庸の教え」に沿って、適正サービスを組織的に展開することである。
未来思考とは、先見の明を持ち、質の高い情報を収集することである。具体的には、文教政策、社会変化、図書業界の変化、出版界・情報産業界の変化、マーケティング変化をよく見据えた収集を行うことである。
利用者中心思考に沿った図書館サービスをいうのは簡単であるが、実践することは難しい。私は公共図書館に勤務しているが、時々、「これは利用者中心思考と言えるのだろうか」という場面に直面する。(中略)
私がこのテキスト学習で学んだ利用者中心思考とは、まず、目の前の利用者の要望に、可能な限りこたえるということである。自分やスタッフが、すべてそうすることで、図書館に訪れる利用者すべてが、結果的に満足するということになる。
しかし、例えば、一人の読書案内につき合うことで、本人の満足は高まるけれども、一方で他の利用者を待たせたり、他のスタッフの仕事量が多くなったりするジレンマもはらんでいる。一人の利用者が、自分の理想の静かな図書館を求めてクレームを申し立てた場合、その人に我慢していただくこと以外に、訪れる皆が満足する方法はないのかというバランスも問題である。今後も、現場で考えていきたい。
また、利用者中心思考に沿った図書館サービスで必要なことは、図書館員の専門性である。レファレンスサービスがあまり進まないのは、図書館で調べものができたり、自分の課題を解決する助けをしてくれることを知らない利用者が多いからである。インターネットで情報検索するよりも、図書館では、広く、的確な情報を得ることができることも知られていない。
例えば、利用者が本を返すときに、「発達障害」や「離婚」「がん」「老後の一人暮らし」「毒親」などのテーマの本をごそっと持ってくるときがある。これらについての課題解決ができないかと思うことがよくある。これらのテーマ本やチラシ、資料類を集めて展示する棚を作るなどして、「課題解決に役立ててほしい」という図書側の意図が反映されるようになれば、相談してみようという利用者も出てくるかもしれない。待っているだけではなく、利用者が何を課題にしているかを知り、事前に準備することは利用者中心思考につながるのではないかと考えている。そのため、図書館員の専門性を高めるための研修、自主学習は欠かせない。私も日々、学んでいきたいと思っている。