近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。公共図書館勤務

「いざという時に頼りにならない図書館」

雑誌「図書館の学校」2020年夏号、読みました。

 一番楽しみな連載コラム・奥野宜之「図書館メジャー化計画」を、まず読みました。メモを頼りに、要点だけ書いておきます。

「新型コロナ禍と図書館~課題解決はどこへ行った?」

コロナ禍により、市民はさまざまな課題を抱える(※1)。本来、図書館は、資料提供により市民の助けになる効果を持つ。それなのに、「人が集まる施設だから、感染拡大防止のために閉める」ということならば、「図書館=ハコモノ」であることを、自ら認めたことになってしまうのではないか。

 

「非常時において図書館は必要不可欠ではない。困っている人はネットや電話相談窓口を選んでくれ」ということか。これまでビジネスや暮らしに役立つ情報を提供してきたのに、コロナによる課題が激増するような時に休館では、あってもなくてもいい施設になってしまう。

それとも「資料提供で市民の助けになる効果」と「休館することで果たせられる何か」を天秤にかけて判断したのか。

それとも上からの指示に従ったのか。

 

図書館とは、社会を支える知的インフラなのか、住民が憩うサードプレイスなのか、もしくは読書家に本を提供する文化・娯楽サービスなのかが問われている。 

 

私も、図書館は「人が集まる場」→感染拡大防止には閉める、という発想でしたから、図書館員的には、耳が痛いですね(まあ、私の勤務館も、休館判断はまさに上=中央館(※2)からのお達しですが)。

  

今回、コロナによる休館について、ツイッターなどでは図書館員の嘆きをたくさん見ました。

「閉めたくて閉めるのではない、司書としては身を切られるようだ」

「休館したらやることないんじゃないかと言われるのは心外。業務はいっぱいある」

 

これらの現場のつぶやきを見たら、奥野氏はこう突っ込むのでは。

 「だったら休館しても、サービスを維持することを考えて行動に移せばよい(※3)

「間接サービスの業務はたくさんあるだろう。しかし直接サービスに関しては?」

 

それから、仕事減→人員減のため、「非正規のパートに休んでもらう」=給料減というケースが起きていました。こういう場合は、特別給付金10万円が生きますね。

しかし、有給休暇で対応する場合は、仕事は楽になり、休みは増え、給料変わらず、特別給付金10万円も支給される。そういう図書館員もたくさんいたはずなのです。

 

また、休館中の司書を、特別給付金の事務にスライドさせるという自治体があったようです。複数聞きました。

しかし、この措置がおかしいというツイートもありました。特権意識でしょうか。私は、税金が給料の出どころならば、まっとうな人事と思います。

 

 

同誌冒頭では、茂木健一郎氏がコラムで「学生たちが『図書館がないのがつらい』という意見が多かった。これはコロナ休館による収穫。うれしかった」、というようなことを書いていました。が、電子書籍、webOPAC、メールレファレンス等「図書館の在り方・使い方を考え直すべき時」と言う奥野氏に比べると、残念な感じでした。

 

【関連:図書館情報技術論・図書館情報資源概論・図書館サービス特論】

  

※1 経済の低迷、会社の危機、収入減、家庭内ではDVや虐待、うつ等心身の不健康など

※2 薬師院仁志・薬師院ひとみ「公共図書館が消滅する日」によると、戦後の進歩的・民主的図書館人は「中央館-分館」という中央集権システムを断固として否定しています。

※3 電子書籍拡充はもちろん、予約サービスや、メール・電話によるレファレンス受付、宅配システムの利用などが挙げられると思います。「図書館自体が障壁」をフリーにすることです。