近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。

灰色文献について

灰色文献とは何か、具体的にはどういうものがあるかなどを問われるレポートでした。比較的早く返ってきて、講評はありませんでした。

 この科目のウェブ試験の点数が悪かったのは、あっさりレポートが通って、講評もなくて見直しもせず、油断したことも大きいと思います。つまりは、レポートで苦しんだ科目は、勉強になる、というのが実感です。

 

構成(「終わりに」は全文)と参考文献を付します。

1)はじめに 

 2)灰色文献の定義と意義、特性について 

 ・1978年ヨークセミナー、1997年ニューヨーク・ルクセンブルク定義(※1)など。

 ・意義:組織化されていないものの、資料価値が高いもの。

  →例として、「GreyNet Award 2014」を受賞した池田貴儀氏の事例(※2)。

 ・特性:ISBNを有さず納本制度とも無縁

     ウェブ上で検索できても消失の可能性もある。

     →図書館の役割に期待

 3)具体的な資料の特徴について

政府刊行物

地方自治体が作成した資料

・研究機関が作成した資料

・学位論文

・会議録

 

 4)終わりに(全文) 

 近年は、機関リポジトリ等の普及により、灰色文献アクセシビリティが向上したかに見える。しかし、見つけ出すのが困難なこと、永続的なアクセスが保証されないことなどから、なかなか向上していないのが実態である。

 多様化する膨大な灰色文献をコントロールし標準化することは、図書館が持つ技術が核となると思われる。灰色文献の電子化が義務付けられ、それが情報資源組織化され、永続的なアクセスが保証されるのが理想である。電子化により、現物の書庫の狭隘化問題も解決できる。現実的な計画、適切なフォーマット作成とメタデータ付与の技術、財政基盤、図書館職員のスキルアップ、関係機関の緊密な連携により、貴重な灰色文献の有効利用が望まれる。

 

参考文献

※1池田貴儀「問題提起:灰色文献定義の再考」情報の科学と技術 62巻2号 2012

https://jopss.jaea.go.jp/pdfdata/AA2011-0802.pdf

(2020年2月16日)

 

※2 「日本原子力研究開発機構の池田貴儀氏、GreyNet Award 2014を受賞」カレントアウェアネス・ポータル 

https://current.ndl.go.jp/node/26723(2020年2月16日)

 

その他、全般的に参考にしたもの

東北大学附属図書館HP「より専門的な資料を探すために」(2020年2月16日)

http://www.library.tohoku.ac.jp/literacy/tutorial/2010/kihon2010/basic2010-06.pdf

★池田貴儀「インターネット時代の灰色文献 灰色文献の定義の変容とピサ宣言を中心に」 2015 https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/58/3/58_193/_pdf/-char/ja

(20200200アクセス)

★磯本善男「多様化する灰色文献とその取組みからオープンサイエンスを考える:GL17,GreyForum4.1 参加報告」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcul/106/0/106_1473/_pdf/-char/ja(2020年2月16日アクセス)

★竹内比呂也「大学紀要というメディア:限りなく透明に近いグレイ?」情報の科学と技術 62巻2号

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/62/2/62_KJ00007905843/_pdf/-char/ja(2020年2月16日アクセス)