灰色文献とは何か、具体的にはどういうものがあるかなどを問われるレポートでした。比較的早く返ってきて、講評はありませんでした。
この科目のウェブ試験の点数が悪かったのは、あっさりレポートが通って、講評もなくて見直しもせず、油断したことも大きいと思います。つまりは、レポートで苦しんだ科目は、勉強になる、というのが実感です。
構成(「終わりに」は全文)と参考文献を付します。
1)はじめに
2)灰色文献の定義と意義、特性について
・1978年ヨークセミナー、1997年ニューヨーク・ルクセンブルク定義(※1)など。
・意義:組織化されていないものの、資料価値が高いもの。
→例として、「GreyNet Award 2014」を受賞した池田貴儀氏の事例(※2)。
・特性:ISBNを有さず納本制度とも無縁
ウェブ上で検索できても消失の可能性もある。
→図書館の役割に期待
3)具体的な資料の特徴について
・地方自治体が作成した資料
・研究機関が作成した資料
・学位論文
・会議録
4)終わりに(全文)
近年は、機関リポジトリ等の普及により、灰色文献のアクセシビリティが向上したかに見える。しかし、見つけ出すのが困難なこと、永続的なアクセスが保証されないことなどから、なかなか向上していないのが実態である。
多様化する膨大な灰色文献をコントロールし標準化することは、図書館が持つ技術が核となると思われる。灰色文献の電子化が義務付けられ、それが情報資源組織化され、永続的なアクセスが保証されるのが理想である。電子化により、現物の書庫の狭隘化問題も解決できる。現実的な計画、適切なフォーマット作成とメタデータ付与の技術、財政基盤、図書館職員のスキルアップ、関係機関の緊密な連携により、貴重な灰色文献の有効利用が望まれる。
参考文献
※1池田貴儀「問題提起:灰色文献定義の再考」情報の科学と技術 62巻2号 2012
https://jopss.jaea.go.jp/pdfdata/AA2011-0802.pdf
(2020年2月16日)
※2 「日本原子力研究開発機構の池田貴儀氏、GreyNet Award 2014を受賞」カレントアウェアネス・ポータル
https://current.ndl.go.jp/node/26723(2020年2月16日)
その他、全般的に参考にしたもの
★東北大学附属図書館HP「より専門的な資料を探すために」(2020年2月16日)
http://www.library.tohoku.ac.jp/literacy/tutorial/2010/kihon2010/basic2010-06.pdf
★池田貴儀「インターネット時代の灰色文献 灰色文献の定義の変容とピサ宣言を中心に」 2015 https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/58/3/58_193/_pdf/-char/ja
(20200200アクセス)
★磯本善男「多様化する灰色文献とその取組みからオープンサイエンスを考える:GL17,GreyForum4.1 参加報告」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcul/106/0/106_1473/_pdf/-char/ja(2020年2月16日アクセス)
★竹内比呂也「大学紀要というメディア:限りなく透明に近いグレイ?」情報の科学と技術 62巻2号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/62/2/62_KJ00007905843/_pdf/-char/ja(2020年2月16日アクセス)