近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。

【図書館サービス特論】web試験解答の一例

この試験では、公立図書館の広報の事例について聞かれました。

「事例」とあったので、1館の具体例だけでよいのか?と思ったけれど、念のため2館の取り組みを書き連ねました。

 

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公立図書館では、地域住民の知の拠点足る施設となるため、利用者はもちろん、潜在的な利用者である地域住民に対する広報活動が大変重要である。広報活動には、主に利用者向けの館内広報、非来館者向けには館外での広報活動が挙げられる。特に、地域住民全体という意味では、インターネットを利用した広報活動は、近年ますます重視されている。

 

A図書館は、利用案内や館内展示案内、他機関に関する豊富なチラシ、広報紙上でのPRなど、形ある広報活動はもとより、ツイッターでの親しみやすい広報活動が出色である。通常、図書館のツイッターは発信のみであるが、当館は返信や「いいね!」など、双方向の交流を続けているところに特色がある。

 

当館は、図書館の価値や魅力を潜在的利用者に伝え、「図書館に行ってみよう」という気持ちになる人を増やすため、図書館外での活動を積極的に行っている。老人施設を訪問し、貸出や読み聞かせのほか、懐かしい民具や写真を用意して思い出を語ってもらう「回想法」の実施を行い、少子高齢化に対応した取り組みを積極的に行っている。その姿勢が、来館できない高齢者やその家族にも伝わっていると思われる。

 

また、議会支援サービスに力を入れ、議員や議会事務局職員が、図書館は自分たちの仕事に役立つという認識を深めている。図書館で市民と議員の意見交換会を開くなどの活動が評価され、2019年図書館レファレンス大賞に選ばれた。新聞紙上でも紹介されたことで、利用したことのない市民に対する広報となったと思われる。

 

さらに、市内の著名人等に図書館活動に参画してもらうことで、彼ら影響力のある人たちに、当館の魅力を伝える宣伝大使になってもらっていると思われる。そのプロジェクトでは、地元翻訳家や評論家のお話や、利用者との夜のツアーなどを企画している。魅力あるイベントを、HP上やツイッター、広報紙などで目にした、まだ来館したことのない市民の興味をかきたてる内容にもなっている。

 

B図書館は、入口から入ると、目につくところにさまざまな案内・チラシが置かれている。受付カウンターには、利用案内、月ごとの企画展やイベントを記した図書館だよりや、利用案内カレンダーなどで、返却待ちの間に利用者が手に取りやすいようになっている。またブラジル人の比率の多いB市では、ポルトガル語の利用案内や登録申請書を置き、利用を促している。

 

また、合築されている協働センターのお祭りなどに合わせて、リサイクル本の提供や例えば老後資金の講座などを企画して、チラシを配布するなど、潜在利用者に対し「当館はこんな取り組みをやっていますよ」という広報活動を行っている。

HP上でも、イベントや企画展などについての情報を行っている。

 

広報は、チラシや案内などももちろん大切であるが、企画するイベント・活動自体が潜在利用者の目に留まり、利用してみようかなという気持ちを起こさせる上で非常に大切なものである。A図書館は、さまざまな活動をしており書ききれず、代表的なものを取り上げた。

 

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