近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。

ICタグと棚卸し

蔵書点検では、ICタグを活用して棚卸し作業を行います。

ICタグの導入でいろいろな利点がある、とテキストでは学びました。新規利用者に自動貸出機の手順を説明すると、積み上げた本を、1~2秒で「○冊です」と表示し、貸出票がするすると吐き出されるので、「すご~い!」と言う方もおります。

 

しかし実際は、目に見えない電波が本を突き抜けて読み取るため、正確に読むにはコツが必要です。

鉄則は、ICタグがバラバラになるように本を積み重ねることです。また、電波の曲線がどういうふうな輪を描いて下から出ているかを知っているかが重要です。

 

蔵書点検は、読みとり盤を本棚の間、数冊ごとに差し入れて読み取るのですが、いらんところにある本まで読みとるのが難点です。

去年の点検ではコツがつかめぬまま終了し、読取り漏れを後で探すという作業に忙殺されたので、今年はなんとかコツをつかみたいと思いました。

 

去年もですが今年も、どうしたら確実に読み取れるかレクチャーは受けるのですが、やはり、棚に差し込む方式だと、余計なところまで読み取ってしまい、数合わせができず「まあいいや」で進んでしまうことになります。

 

しかし、ある同僚から、前職場(人手もある大きい図書館)では、2人一組になり、棚から本を数冊出す人・読み取って冊数と画面表示をチェックする人、と役割分担を行ったと聞きました。それで、その方は今回も前職場のやり方で1人でやる、と言っていたので、私もそうすることにしました。

 

棚から5冊ほど取り出し、ほかの本が反応しない場所に退避し、貸出・返却時のようにICタグをずらし、読み取り盤でなでつけ、画面の数字と合うまで確認し、棚に戻すというやり方です。私は児童一般書を担当したのですが、ここは図鑑も多いし、ハードカバーだらけで、重くてつらかったです。午前午後で、0類から6類まで、6000余冊が限界でした。でも毎回毎回確認できました。

 

私のやり方はまさに「棚卸し」ですが、普通に読みとり盤を棚に差し込む方式で文庫や小説を担当した同僚は1万冊読んだそうなので、私はだいぶ少ないです。

 

テキストにはICタグについて、いいことしか書いていませんでしたが、いつも、この見えない電波の不確かさ・・・(なんで読まないの(。´・ω・)?(どれ読まないの('Д')?)(そんなのまで読んでたの( ゚Д゚)?)(どこまで飛んでくの(; ・`д・´)にはいつも悩まされています。一つ一つ手作業でやったほうがいいのではないかと思うことがよくあります。現に、私は、予約取り置き本はバーコードリーダーで一つ一つ読み取ってすぐ伝票を本に挟んでいきます。でも同僚はみんな、10冊ぐらい一気に読んで、伝票の番号と照合しながら本に挟んでいきます。私の方が手間かもしれないけれど、伝票と照合する必要はなく、1冊ずつ処理するので入れ子になることはありません。

 

かえって、自動貸出機でうまくいかなかった大量借りの復旧などが面倒だったりすることも多く、ICタグはなかなか厄介なシロモノです。いつまでたっても、この精度のままなんでしょうか。他の図書館はどうなんでしょうか。私としては、そんなにいいもんでもないなと思っています。

 

【関連:図書館情報技術論