近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。

人気の本を(さわりだけでも)読みたい場合

勤務館では、毎月持ち回りで職員がそれぞれテーマに従って、本の企画展示を行っています。私は来月、担当が回ってきます。

 そこで、この1年の総括をしようかと思っています。

 

データ的なものとして、市内の貸出上位図書館ランキング、また自館のここ10年の貸出冊数変遷、それから自館の昨年度比の月別貸出冊数等の紹介します。データは市のHP等からの数字を活用します。自館用に数字を抽出し、グラフ化します(図書館サービス概論レポート勉強のたまものです)。

それから、この1年でよく借りられた本、この1年の社会現象に即した本、亡くなった方に関連する本やCDなどを展示します。

 

ここで選定が難しいのは、「よく借りられた本」です。予約が入っていて、複本がない場合は、図書館では展示することができない決まりになっています(つまり、図書館の展示よりも、予約をした利用者が優先されるということです)。市のHPに載っている貸出冊数ランキングと予約本ランキングを活用し、複本があり、すべて予約ではなく、ところどころ「在庫」=貸出可能になりはじめた本をピックアップしようと思います。

 

予約がいっぱい入っている本は、日々、本の予約確保、取置本の貸出などをしていると、体感的にわかってきます。それが「回送本」となった時に「あれ?予約が切れたんだね」ということで、そのたびにカウンターにちょこちょこ展示しています。最近では、「嫌われる勇気」がようやく予約切れてきました。展示しますと、やはりすぐ借りられていくのです。「予約が多すぎて、ほっといたけれど、目の前にあるなら読んでみようか」という利用者がけっこういるのだなという印象です。

 

しかし複本が多数あっても、なかなか予約が途切れないものもあります。たとえば「FACTFULNESS」は市内20冊あっても、まだ予約が250件超です。出版されてから2年になるのに、です。

 

そこで、雑誌でエッセンスを紹介するという裏技を使います。東洋経済とPRESIDENTで「FACTFULNESS」特集を組んだことがあるので、それを展示する予定です。

 

先日、NHKあさイチ」で、「家族じまい」の桜木紫乃氏が出演、またたくまに「ホテルローヤル」が借りて行かれました。2013年の直木賞受賞作品、今や文庫と単行本、市内合わせて30冊ありますが、すべて貸し出され、すぐに予約がつき始め、今は100件ほどついています。テレビの効果はおそるべしです。

 

ここでまた雑誌で裏技です。直木賞受賞作品は、「オール読物」に部分的、または著者インタビューなどが掲載されます(※1)。バックナンバーには、「ホテルローヤル」6話のうち3話が収録されており、私はさっそく取り寄せて読みました。その後も予約はゼロです。このまま予約がつかないようであれば、展示できそうです。

 

芥川賞受賞作品も文藝春秋に掲載されます(※2)。こちらは短めなので通常全文収録されることが多いですね。私は受賞前後に、候補作が掲載されている雑誌を取り寄せ、読んでいます。

 

懸案は「本屋大賞」関係ですね。これは、ノミネート作品含め、かなり長い間、多数の予約が続きますね。

まあ、「買え」と言われそうですけどね。でも、私も前回の大賞やノミネート作品は予約をして、長いことっ待って読みましたが、自分にとってのはずれが結構ありました。借りて「いい。欲しい」と思ったら、買っています。「サピエンス全史」などのように。

 

そんなときの奥の手は・・・

1)スーパー銭湯で1日過ごし、そこで展示本を読む(近所の施設は、ベストセラーをけっこう置いています)

2)私設図書館で借りる(先日市内にオープンした私設図書館のオーナーが、HPに「ホテルローヤル」について書評を書いていたので、さっそく本日飛んでいって、借りてきました)。

3)札幌市図書・情報館で読む(ここは貸出なし、閲覧のみです。しかし、小説は置いていないのです。でもきっと「FACTFULNESS」は、そこで読めるでしょう。まあ、札幌、遠いんで・・・夢ですが。ほんとうは、ここみたいに「閲覧のみ」の図書館は、もっと増えてもいいと思いますね。

 

【関連:図書館サービス概論】

 

※1 最新の直木賞作品「少年と犬」は市内15冊、予約450件。1冊につき30番目の計算です。オール読物202009・10号に、6編のうち3編収録、市内6冊、予約6件なので、今の利用者が返却すれば、予約1番目から順次貸し出しになります。

※2 最新の芥川賞2作品、「破局」は市内8冊、予約80件。1冊につき10番目。「首里の馬」は市内10冊、予約27件。しかし、文藝春秋202009号はすでに予約切れており2冊完全収録なので、すぐ読めます。