近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。

伝記の請求記号

児童書を排架していたら、「石井桃子」の伝記の請求記号の一部が異なり、分かれて置いてあるのに気づきました。

筑摩書房編集部「石井桃子 児童文学の発展に貢献した文学者 ちくま評伝シリーズ」

→「910 イシ」

竹内美紀「石井桃子 子供たちに本を読む喜びを 伝記を読もう」

→「910 タケ」

910が同じでも、著者記号順に並べるので、2冊の間にほかの本が何冊か入っているのです。中を読むと、どちらも石井桃子さんが被伝者の伝記です。分かれて置いてあるのは気持ち悪い。副館長に聞いてみました。

 

2冊目の著者名(竹内~)が出てくるからおかしいと思い、市内の複本合わせて14冊中の書誌を開いてみると・・・・

1)910 タケ:9点(中央館、当館を含む)

2)910 イシ:1点(市内最大冊数館)

3)289 イシ:4点(しかも1点有する館は複本が910イシ)

市内蔵書は児童書なので3桁表示ですが、正確には、作家の個人伝記は910.268です。

それで市内の業務マニュアルを調べると、「作家の個人伝記の著者記号は被伝者からとる」となっていました。つまり、著者からとるのは(市内図書館としては)誤りということです。つまり、14冊のうち正しい表記は1館しかありませんでした。→ということで、当館も誤りなので、請求記号貼り換え。

 

自治体合併で、町立図書館の歴史があるため、289(正しくは289.1)が混在しているということも考えられます。

 

それなら、なんで作家だけ289に入れないで9なの?という新たな疑問が。そういえば、モーツアルトとか作曲家は7の棚にある。王貞治とかスポーツマンも7。葛飾北斎とか画家も7だ。ユングとか親鸞とかは1だ。なんでだ?

 

と、伝記の位置がそれぞればらけていることは、毎日の排架のたまもので体感としてわかっていたため、NDC10版で289を調べました。

個人伝記

 ここには、個人(2人をも含む)の伝記および伝記資料一切を収める。ただし哲学者、宗教家、芸術家、スポーツ選手、諸芸に携わる者および文学者(文学研究を除く)の伝記は、その思想、作品、技能などと不可分の関係にあるので、その主題の下に収める。

 う~んこれ、多分、情報資源組織演習で勉強してたやつだった!!と、副館長に言いました・・・。

 

と、思って帰宅して情報資源組織演習のテキストを見ると、2類のb伝記の⑥各伝に書いてありましたね~いや~すっかり忘れとる。逆に言うと、机上の学問て大変だね・・と。

 

伝記が2類ということは、歴史上名高い人が伝記になる=主題が歴史(近くに資料がある)というふうに考えれば、1,7,9の伝記についての処置が納得できます。

 

私は毎日、NDC10版を持っていって、カウンター業務の時はそこに置いて、仕事が終わったら持ち帰ってきて、家で読書記録の際に使うなど、常にそばに置いておきます。司書を目指す方は、図書館業務でも使うので、NDCは必携をお勧めします。