近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。

「図書館は作家にとって害悪である」という考え方

コロナ禍で息苦しい時、道尾秀介氏が東日本大震災後に新聞に載せた文章を読みたくなりました。仕事についてだけではなく、誰でも何かのプロであり、それを自覚すれば状況はよくなる、というような文章。

中央館にレファレンスメールで依頼すると、2011年4月1日静岡新聞夕刊10面と判明。静岡新聞データベースのある館に行き、検索したところ、「著作権保護のため表示不可」。それで、中央館が保存しているマイクロフィルムを複写依頼しました。

 

著作権保護ということは、本になっているのだろうかと思い、ネット上で道尾さんに質問したところ、「プロムナード」に出ていると返信いただきました。それで当該本を取り寄せて、当館にカウンター展示する予定です。複写してきた文章を読みましたが、やはり今読んでも、ほんとうだなと思わされ、泣きそうになります。

 

しかし、作家としては、図書館から誰かが借りていったところで収入にはつながらない。ここが難しいところです。

 

図書館は、本好きの人のためにはなっているが、本を作る人のためにはなっていないというジレンマがあります。有名なのは、白石一文氏の投げかけでしょうか。

 

togetter.com 

 

図書館が新刊本を何冊も買って貸し出すから、本が売れない。・・・

確かにわかります。

でも、図書館で読んでいいと思った本は買う人は多いのではないでしょうか。図書館でその作家のファンになれば・・

 

というのは、甘いんでしょうね。作家は、図書館はいやなんだろうな。

 

先日、ラジオ「草野マサムネのロック大陸漫遊記」で、草野さんが「本は、いいなと思ったら買うようにしています。自分も、本と同じ著作業という業界で仕事をしているので」と言っていました。