近大通信 司書課程

2020年3月司書資格取得。公共図書館勤務

「おすすめの作家を教えてください」

小説の棚で排架していると、利用者の方(中高年女性)に呼び止められました。手には本を数冊抱えていました。

「おすすめの作家を教えてくれませんか」

「あっ、はい、どんな本を借りられます?」と、何の本を読むのかなと聞くと

「いえ、これはいいんです、あの、いろいろ読んでいて、新しい作家を探しているんです」と、本のタイトルは見せてもらえませんでした・・・重要な判断材料だったのですが・・・

 

ここで私は、新春福袋を思い出しました。私の担当は小説だったので、

★ぐっとくる時代小説

  山本周五郎赤ひげ診療譚

  青山文平「遠縁の女」

  木内昇漂砂のうたう

★心があたたかくなる小説

  梨木香歩「家守綺譚」

  奥田英朗「コロナと潜水服」

  有川浩空飛ぶ広報室

★魂を震わす小説

  白石一文「ほかならぬ人へ」

  横山秀夫ノースライト

  三浦しをん舟を編む

まず三浦さんの棚へお連れすると「読んだことあります」

ならば有川さんの棚へお連れすると「読んだことあります」

それではと私の好きな小説家四天王の一人、垣谷美雨さんの棚へお連れすると、まずい、出払っていて1冊もない!しかし、その方は

「垣谷さん?、あ、知らない!」

「私も全部読破していますが、最近とても人気ですよ。それで、今、ちょうど本が無いのです。あの、天海祐希が主演した映画・・・『老後の資金がありません』ご存知ですか?あれも垣谷さんなんですよ」

「あ、そうなんですか!じゃあ、次、今度借りてみます」

 

しかし何もお渡しできないのはなぁと思い、はやり私の好きな四天王のうちの一人、奥田さんの棚を見ると、あるではないか、「コロナと潜水服」、そして少し前に出た「罪の轍」も!

「私、奥田さんも大好きなんです。明るいコメディータッチのも、暗く、重いのと両方あってどちらもよいですよ!この「コロナと」は1年前に出ましたが、とても心があったまるいいお話ですよ。「罪の轍」も深く考えさせられました」と言うと、

「奥田さん、読んだことありません!じゃあ、2冊とも借りていきます」と。よかったー。

 

福袋も、実は新春初日に、30袋出して、3袋余って、そのうちの一つが私の「魂を震わす小説」でした。売れ残ったみたいでとても残念で、悲しかったのですけれど、翌日には出ていったようです。

 

そして、同僚から「Kさんの魂の震わすの小説の福袋の中に入っていた本、とてもよかったって、お客さんが返すときに言っていかれましたよ」といわれてよかったなぁと思いました。

 

これからも、いい本と、人とをつなぐ橋渡しができたらいいなと思います。そのためには、読書量を増やし、情報の鬼となること。がんばるぞ。