絵本の棚の排架(整架)の仕事が好きです。
著者(絵を描いた人ではない。文章です )の50音順なのですが、悩むのは外国人著者の絵本です。
「コレットちゃんはおかあさん」の著者記号は「セ」ですが、作者は「フランソワーズ」。なんでフでないの? と、中を見ると、「フランソワーズ・セニョーボ」とある。フランス人だがアメリカに行ってから絵本を出したそうです。本の表紙にファーストネームしか出していないのは、それが通称だったということなのでしょうか。
「雪原の勇者」の著者記号は「ス」。でも再話がソーズソンになっています。副館長に聞くと、こういう時は、tooliで見るとよいと言われて検索します(こちらは図書館専用の利用です)。すると、書誌情報に「スセ」とある。この2文字のうち、最初の字が著者の頭の音、2番目の字はタイトルの頭の音なのだそうです。ですから、著者記号が「ス」で合っていることになります。名前を見ると「スターラ・ソーズソン」となっており、これもまた、ファーストネームからとっていることがわかります。「ノルウェーは、最初の名前から音をとるのかもしれない」という仮説を立てました(が証明していません)。
しかも市内他館を見ると、自館のように「ス」のところが多いのですが、「ル」「ア」となっているところもあるのです。
これは、
スターラ・ソーズソン再話
リーザ・ルンガ-ラーセン文
メアリー・アゼアリアン絵
千葉茂樹訳
という多くの責任表示があります。
「ア」は、市町合併前にほかの自治体だった図書館で、著者記号は文ではなく絵からとっているからです。
「ル」は、推察するに、書誌詳細を見ると場所区分が「児童寄贈」となっており、「寄贈された児童書」という棚にあるのではないか、つまり、市として一括で購入した際付与されていた著者記号とは、独立してつけたのでは?・・・でも普通、寄贈本でも、従来の書誌データを探してそれを流用してつけるので、わざわざ「ル」にした深い理由があるのかもしれません。
そう考えると、アマゾン、紀伊國屋、絵本ナビ、どれも再話のソーズソンの名前がありません。図書館本と売る本では違うのか・・・?
「再話」の意味は、ストーリーテラー、リメイク、などでしょうか。それにしても我が市ではほぼ再話の人が一番のメインととらえて著者記号にしているのに、大手オンライン書店では省略しているという、この大きな差はなんでかなと思います。
【関連:情報資源組織論、情報資源組織演習】