「FACTFULNESS(2019,002.7)」を読みました。
市内24冊(平均1館1冊)、発行日以降1年8カ月で、まだ予約が284人。かなり読まれている本です。その前東洋経済での特集を読んでいましたが、単行本のほうが圧倒的によいです。やはり、著述の最後にすい臓がんで亡くなったハンス・ロスリングさんの体験や語り口の力でしょう。PRESIDENTでも特集しています。
「世の中は悪いが、少しずつ良くなっている」ということが体得できます。コロナ鬱で弱っている人にすすめるとよいと思いました。
それとは別に、私が懸念したのは、図書館の世界地理・地図・図鑑コーナーに置いてある本(特に児童書)は、FACTFULNESS的にはNGではないかということです。
事実を正しく理解できない大きな理由は、この数年~十数年でいろいろなデータが変わっているのに、アップデートされていないことにあります。図書館では、一度本を買ったらかなり長い間、棚に置かれることになりますから。
その点について副館長に聞いてみました。「その時々の状態がその本に載っていると解釈すればよく、その後についてはネット情報などで更新することを利用者に伝えればよい」との見解でした。
図書館を「情報センター」ととらえようという流れにおいては、この見解は、私には弱いと思えました。それは、ネット情報の補完として図書館に来る人より、ネット情報がないので図書館に来るという人の方が圧倒的に多いからです。
一般書籍と電子書籍のみならず、ネット内データの一元検索が、OPACでできればよいのですが、道は険しそうです。ハンスさんが、図書館の存在意義についてどうとらえていたのか、過去著作などを調べてみようと思います。。。
【関連:図書館情報技術論、情報サービス演習】